おしらせ

未来へのメッセージ自民党県連会長・山本秀久氏(S7回)

[2016-12-09]

敬天愛人

九州学院105年・未来へのメッセージ

使命を全うする

自民党熊本県連会長・山本秀久さん(81) /熊本

毎日新聞2016年12月4日 地方版

山本秀久さん(S7回)

<政治家になるつもりはなかった>

父が病気で体を壊したため、関東から地元・芦北町に戻ったのは35歳の頃。山本家の家訓では「政治を志さず」と禁じられていたこともあり、政治家になるつもりはなかった。広大な山林を管理していた父と同じ林業で食べていこうと考えていた。それでも当時の芦北郡の町長さんから「水俣病で苦しむ人を救う振興計画を絵に描いた餅で終わらせないでくれ。天命と思ってくれ」と頭を下げられ続けた1979年、県議選に初めて立候補した。父が亡くなった半年後だった。「1期で辞めるだろう」と思っていたが、細川護熙さん(83~91年)、故福島譲二さん(91~2000年)、潮谷義子さん(00~08年)、蒲島郁夫さん(08~現職)と知事4人を時には支え、時にはただし、熊本の発展に取り組んできた。福島知事時代には副知事人事を巡り、知事と議会の調整に奔走したこともあった。

<九州学院では周りの人に恵まれた>

父が九学OBなので、九州学院中に進学するのは自然な流れでした。地元では受験しなくても中学に進めたのに、自分は受験してまでどうして......と思ったことや、入学直後の寄宿舎生活では夕暮れ時になると寂しくて泣いたこともありました。でも、先輩や友達に恵まれた6年間を過ごせた。今もつながりが強いのは九学ゆえの良さだと思う。

<生来の怠け者と自称する>

ただ、地元を思う気持ちは人一倍強いと自負している。地元からの陳情があればしっかりと実現するよう譲らずに県と向き合ってきた。それが支えてくれる地元への礼儀と思っている。

<傘寿を過ぎ、若い世代に伝えたいことは>

今の若い人はハングリー精神が足りない。敬天愛人の精神を身に着けてほしい。この年齢になり、九学の敬天愛人の教えが身に染みていてよかったと感じているからだ。

<今後の活動は>

長年連れ添った妻榮子(享年76)が9期目の14年に亡くなり、引退も頭をよぎった。だが「この良き流れを止めてはならない」と、蒲島知事と10期目を歩もうと決断した。その判断があったから県は蒲島知事のもとで熊本地震の対応ができた。判断を誤らなくてよかった。引き際は己が考えること。息のある限り、使命を精いっぱい全うしなければならないとの思いで日々を過ごしている。

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【野呂賢治】