おしらせ

平成21年 東京久憎会セミナー

[2009-07-03]

首都圏在住 S6/J4 卒業生の会 東京久憎会(会長 小田桐貞)は毎年恒例の 講師持ち回りセミナーを 去る6月26日 午後1時半から、東京 茅場町パールホテルで行いました。 以下その概要を報告します。

パート 1'頑張る経営者'古希を過ぎ経営の最前線 ― そのエネルギー源

その1 講師 堤 達也  (三晴精機株式会社社長)

20090703a.jpg三晴精機(株)は、東京・杉並に 本社、工場を持ち ラベル及びラベル張り付け機を 開発・製造販売する会社である。今回のレクチャーでは 最初に、ラベル というものの種類について説明がなされた。 
・素材からの分類:紙ラベル、フィルム・ラベル
・形状からの分類:短冊にカットされた枚葉ラベル、帯状ラベルからカットするロールラベル
・形式等からの分類: 糊式ラベル、タックラベル、感熱ラベル

次にラベリングマシンの分類がなされた。
・糊式(小量にも大量にも向く): 枚葉ラベル式、 ロールラベル式
・タック式(小量多種に向く)
・感熱式  (大量に向く)

続いてラベルを 商品内容表示 或いは顔として、又は 別の理由で使用している業界の紹介があった。
① 製薬業界: 人体薬、 試験薬、 ワクチン、 動物薬
② 化粧品業界
③ 食品業界: 味噌・醤油・ビール・精酒、焼酎その他
④ 弱電業界: IC チップ、乾電池
⑤ 物流業界: ダイレクトメール
⑥ 自動車業界:バッテリー (ニッケル水素電池 リチュームイオン電池

20090703b.jpg各業界で、要求されるラベルの種類、品質とそれに応えるためのチエ、努力、更に各業界・業種における調達上の慣例についての講話は大変興味を惹くものであった。何の問題も無さそうに見えるラベル貼り作業を高品質、高効率で機械にやらせることの難しさ、奥の深さが良く理解できた。質問に応じて、この事業を始めた理由、この不況を乗り切る方策、事業の継承についても語られた。

ここまで社業の発展を見、我が国の流通産業へ貢献し、各種製品の付加価値の向上を援けられたのは、堤社長の、'大企業では出来ないことをしよう'、'業界でトップになろう'、'顧客のニーズにとことん応えよう'とする熱意によるものと、同級生として誇らしく思った。

その2 講師 反後尭雄 (株式会社クリーンテック社長)

20090703c.jpg(株)クリーンテックは福島県飯坂に、本社、クリーンサイトを持ち、溶融資源(株)、(株)クリーンテックサーマル等の子会社を有する 産業廃棄物処理事業を行う会社である。今回のレクチャーでは、テーマの求めに応えるため、反後社長の「一期 一会」を大切にする仕事への取り組みの話から始まった。一期一会には四つの流れがある。 それは・・・・

1)人との一期一会:三大の縁 ① 血の縁, ② 友人・ 知人の縁、③ 職場での縁
2)仕事での一期一会:仕事には、虚業、企業、実業の三つがある。夫々のビジョンの立て方で人生が左右される、仕事との出会いは大切に。
3)その時の時代「時流れ」との遭遇の一期一会
4)自然、環境との一期一会

常に、この一期一会の縁を大切に積み重ねることにより、その後の「縁」は突発的、偶発的なものではなく、徐々に、必然性を持ち、既に決められた運命のようになって行くと考えられると反後社長は説く。

続いて、ご本人の九学卒業以来、大学卒業、熊本放送勤務、福祉事業財団リハビリ所長、医療機器
リース事業に着手、医療機器メンテナンスリース販売の開始、(株)クリーンテック設立、子会社の設立
飯坂クリーンサイト工事のための行政、ゼネコンとの折衝、操業開始、第二期工事開始 に至る経歴、経験および、これを取り巻く時流、市場の流れ の話がなされた。特に、"常に、'裏の実態' を持つように、世間から見られがちな業界であるが故に、徹底した情報開示を行い、大学等研究機関による科学的検証を実施するなどにより、近隣の住民や、行政との問題を解決出来た" ということが印象深かった。

次に,社内で実行されていることの紹介があり、"環境と水"という今後、最も有望と目される事業分野への取り組み と共に、この未曽有の不況を乗り切るポイントがあるとここに窺われた。

終わりに、経営者とは?

20090703d.jpg1.経営者の資格とは「責任をとる!」ということ。
2、経営者の責任とは? ① 企業の維持発展の責任  ② 低迷時の「再生の責任」③ 社員と社員の家族に対する責任
3.経営者の三要件 ① 先見性 ② 決断力③統率力・・・そして 'なにものにも 動じない「胆力」である' という話があり、1)現状維持は衰退につながる!2)失敗も糧になる!3)感動を無くす人は年をとる!4)ピンチはチャンス!という 信条 を示して1時間のレクチャー締めくくられた。

なかでも、「感動をなくすと年をとる」ということが、特に参加者の共感を呼んだ と見られ、懇親会席上での 出席者全員による感想の披露でも、多く引用されていた。


パート2 'シリア・ヨルダン・トルコ'-聖書の世界を歩く     尾上 賢

20090703e.jpg 昨年2月 そびゆる ピスガの山の 高嶺より'カナンの地'を眺めたくて、谷山準二君と、旅行社のツアに参加して、シリア・ヨルダンを旅し、今年は、同じく2月、トルコ行きのツアで、パウロ伝道旅行の地を踏んだ。この機会に、旧約聖書の創世記、出エジプト記, 新約聖書の 使徒行伝における 預言者や使徒の足跡を辿りながら、その地で得た見聞を語って見たかった。 先ず、中学の宗教の時間で習ったことを複習おうと、'シリア・ヨルダン・トルコ 聖書の世界を歩く 補稿 聖書通読'なる資料(地図:旧約の世界/新約の世界 を含む11頁)を準備しておき配布した。これは、世界の一神教:キリスト教/ユダヤ教/イスラム教 夫々における信仰の対象、救いの対象、聖典 について略記し、イスラム教のコーラン、アザーンに触れてから、旧約 各書、新約 各書 (勿論合計66書全部ではない) のサワリを追い、創世紀1-1:"元始(はじめ)に神(かみ)天地(てんち)を創造(つく)り給(たま)へり"から ヨハネ黙示録22-21: "願(ねが)はくは、主(しゅ)イエスの恩恵(めぐみ)なんぢら凡(すべ)ての者(もの)と偕(とも)にあらんことを" まで 通読した気分になって貰うことを意図している。(聖句については在学当時九学で使われた文語を参照した。)レクチャーでは、旅行中撮影し

 

た ドバイ、アンマン、マタバ、ネボ山、死海、ペトラ、ワデイ・ラム、クセイルアムラ、ジェラシ、ボスラ、パルミラ、マルーラ、クラッツク・デ・シュバリエ、ダマスカス、ゲリボル、トロイ、エフェソス、パムッカレ、カッパドキア、アンカラ、イスタンブール 等の写真及び、関係聖画をプロジェクタで映し出し、体験と該地文物の歴史、聖書との関連等の説明を試みたところ、説明の要領わるく、時間不足気味であったため、再度の講演を要望されが、今回、"ユダヤ教、キリスト教、イスラム教からなる、所謂、一神教の世界構造を俯瞰した気持ちになり、自らも聖書研究を始めようか" と云う意向も聞かれ嬉しかった。

懇親会: レクチャーに続く恒例の懇親会では、後期高齢者突入を目前に、酒量は減る傾向にありながら、食欲は一向に衰えぬ会員に適合したメニューの晩餐を楽しんだ。緒方君から高級ワイン5本の寄付もあった。席上、講師との'より突っ込んだ'質疑に続き、小田桐会長の指名によって(結局全員)レクチャーの感想を述べた。多く寄せられた感想は 本文で紹介したもののほか:
堤 講師 へ 各種の実物も見せて頂き、ラベル、及びその制作というものの奥行の深さがよく分かった。
反後講師へ サイトの写真も見て、その規模に驚き、'環境と水'に取り組む事業の大切さを理解した。